自転車を止めてぬるくなったサイダーを飲み干したなら
高梨 陽(たかなし あたる)
曽根 凜翔(そね りひと)
【scene1】
(教室のザワザワ)
曽根「高梨、はい」
高梨「何?これラブレター?凜翔から?やっだお前俺のこと好きだったのかよー照れるなー」
曽根「……変なこと言うなよ、後ろに名前書いてあるだろ」
高梨「あ、ホントだ」
高梨「ん?」
曽根「どした」
高梨「誰この子」
曽根「俺が知るわけないだろ、上履きの色は一緒だったけど」
高梨「へー、可愛かった?」
曽根「あー……そうなんじゃない?」
高梨「(笑う)何その含んだ言い方」
曽根「可愛いか可愛くないかなんて見る人によって違うだろ」
高梨「まあそれもそっか」
高梨「よし、帰ろー」
曽根「手紙、見なくていいの?」
高梨「ここで見るのもな、まあ呼び出されたわけじゃないからそんな急がなくてもいいんじゃない?」
曽根「そんなもんか」
高梨「そんなもんだよ」
曽根「さすが告白されなれてる男は違うな」
高梨「そんなんじゃないって」
高梨「てかさ、凜翔これ俺にって渡されてどんな気持ちなん?」
曽根「いや別になんも思わねえけど」
高梨「えー、嫉妬しないの?」
曽根「……誰に嫉妬すんだよ」
高梨「女の子とか」
曽根「は?」
高梨「やだ!俺の高梨とられちゃう!みたいな」
曽根「しねーよ、そんなん」
高梨「えー」
曽根「つか別に、そこまで興味ねえよ」
高梨「凜翔くん冷たーい!俺は凜翔くんの恋愛事情興味あるのにー」
曽根「とか言って、俺が意外と告白されてんの知らないだろ」
高梨「え?」
曽根「ほら」
高梨「何それ、聞いてないんだけど」
曽根「言ってないからな」
高梨「何で」
曽根「何が?」
高梨「何で言ってくれねえの」
曽根「いや別にお前になんの関係もねえじゃん」
高梨「……そうだな」
曽根「高梨も誰に告白されたー、だの全部俺に言ってるわけじゃないだろ」
高梨「そう、だな」
高梨「……そういえばさ!ラブレターの子、直接渡してくれればいいのにな!」
曽根「恥ずかしかったんだろ」
高梨「ふーん、つか凜翔、俺宛の渡されて迷惑とか思わないの?」
曽根「は?思わねえけど」
高梨「いやさ、他人のよ?」
曽根「思わねえ」
高梨「でもさー」
曽根「思わねえって!」
曽根「相手の答えなんて分かんなくて、そんな不安の中でめちゃくちゃ勇気出して告白しようとしてんだろ」
曽根「すごいじゃん、迷惑なんて思えるわけねえだろ」
高梨「……そっか、ごめん」
曽根「いや、俺こそごめん」
曽根「あー……さ、その子俺に渡してくれって頼む時もめちゃくちゃに緊張してたよ、それだけ本気なんだろ」
高梨「……そっか」
曽根「だからちゃんと考えてあげなよ」
高梨「うん、ありがと」
曽根「……あー、ほら、帰ろ」
高梨「おう」
【scene2 side:曽根凜翔】
「あー……俺、嫌な態度とったな」
凜翔「嫉妬しないの?」
そう聞かれた時、心臓が止まるかと思った
嫉妬なんて、もう何回もしてる
いつだってあいつを取られることに怯えてる
ずっと、ずっと一緒にいたのは俺なのに
家が隣同士で小さい頃からずっと一緒に過ごしてきた
最初は仲がいいだけの、本当にどこにでもいる幼馴染だった
それが変わったのはいつだったか、いつも俺の名前を呼ぶあいつの笑顔が眩しくて
少しでもそう思ってしまえばそこからはどんどん意識してしまって
けれどそれがいけないことだと頭の中だけはしっかり分かっている俺は、いつからかあいつを名字で呼ぶようになった
「馬鹿馬鹿しい」
そんなことしたって、この気持ちがなくなることなんてありはしないのに
俺はいつだって、もし自分が女だったら、なんて馬鹿なことを考えて思考の沼に沈んでいる
もし女になったとしても、自分の気持ちを伝える勇気も、あいつと結ばれる確証も何も無いくせに
言い訳ばかり立派になった俺にはもう、あいつを諦めようとする気力なんて残っちゃいない
ああ、このまま夏は過ぎてゆくのだろう
俺のこのじめじめとしたうざったい恋心だけを残して
「(ため息)あの女の子、可愛かったな……お似合い、だよな」
「付き合わないといいな」
最低な願い事
何回も何回も重ねては、いっそのこと誰かと付き合ってくれた方が諦めがつくのではと思えるけれど、きっとこの感情はへばりついてくる
ああくそ、なんて気持ち悪い
この感情の行き場なんてどこにもない
「せめて、友達としてずっと陽のそばにいたい」
頭ん中がぐちゃぐちゃだ
ああ、蝉の声が五月蝿く全身に鳴り響いている
SE:蝉の声(フェードで入って大きくしてってカットアウトして場面かわると楽しいかも)
【scene3】
高梨「凜翔おはよお」
曽根「はよ」
高梨「そうだ今日放課後ちょっと待ってて」
曽根「うん」
曽根「……あー、あれだったら俺、先帰ってるよ」
高梨「((笑う)ふっ)何あれって」
高梨「用事無かったら待っててほしいな、つか凜翔自転車壊れてんじゃん、朝も乗ってきたのに」
曽根「そうだった、後ろ乗せてもらお」
高梨「うん」
曽根「……あー、付き合わねーの?」
高梨「……そもそも俺のあの子のことよく知らないし」
曽根「そっか」
高梨「俺があの子と付き合った方が良かった?」
曽根「いや、うーん、言うて俺には関係ねーから」
高梨「……そう」
曽根「ただ何となく、色んな子に告白されてるけど全然誰とも付き合わないなって」
高梨「好きじゃないのに付き合うの?」
曽根「まあいや、そうなんだけどさ、みんな結構ノリで付き合うとこあるから」
高梨「俺、そんなふうに見える?」
曽根「……いや、ごめん」
高梨「ちゃんと考えろって言ったのは凜翔じゃん」
曽根「……うん」
高梨「それに俺、ずっと好きな人いるから」
曽根「は……、そう、だったんだ」
高梨「(笑う(はは))誰か聞かないの?」
曽根「……(笑う(ふっ))何、聞いたら教えてくれんの?」
高梨「……ねえ、凜翔、あのさ」
SE:学校のチャイム
曽根「やば、ショート始まる、席戻るわ」
高梨「……うん」
【scene4 side:高梨陽】
凜翔は多分、俺が凜翔を好きなことに気づいている
凜翔はいつもなら先生が入ってくるまで自分の席に戻ろうとしない
なのに俺が好きな人を言おうとしたとき、今は言えなくても言う機会をつくろうとしたとき、凜翔は咄嗟に目を逸らして自分の席に戻っていった
凜翔は俺に気持ちを打ち明ける機会をつくらせない
いや、言おうと思えばいつだって言えるのだけれど、どうしても今みたいにあからさまに避けられると思うと息が詰まって言えなくなる
いつだったか、この気持ちを自覚したとき
そのときから凜翔は俺との間に見えない線を引いている
陽と呼んでくれるその声は、いつからか高梨に変わっていた
きっと俺も曽根と、そう呼ぶべきなんだろうけど、そうすると更に俺と凜翔の間に溝ができてしまいそうで
いや、こんな気持ちを抱えているくらいなら溝をつくるべきなのだろう、そう頭では理解している
している、はずなのだけれど
でもこの気持ちはどうしようもない
だって好きだと思ってしまった
昨日だっていつだって、人の気持ちを考えられる凜翔が、俺と話して笑ってくれる凜翔のことが
凜翔「付き合わないの?」
そう凜翔に言われたとき、胸が張り裂けそうだった
何で凜翔に、よりにもよって何で好きな人に言われなければいけないんだ
俺はずっと、ずっと凜翔が好きなのに
凜翔は好きだとさえ言わせてくれないくせに
それでいて確実な距離もおこうとしないのに
だから俺はまだ望みがあるのではないかと期待してしまう
初恋は叶わないなんて言うけれど、このままだと俺は初恋だけで終わってしまう
報われない
俺は何も出来ないまま、また片想い何年目かの夏が過ぎていく
凜翔「俺が意外と告白されてんの知らないだろ」
昨日の凜翔の言葉を思い出す
きっと俺は凜翔のことを何も知らない
知ったつもりでいるだけで、凜翔の何も掴めてはいない
このままずっと、凜翔の何も知らないままで、一度書いてしまった見えない線は消えないままで
現状と変わらない未来を歩いていくのだろう
それは少し、いや、とても心苦しいけれど
【scene4】
高梨「凜翔、ごみ捨て?」
曽根「うん、当番だった」
高梨「俺中庭で待ち合わせてるからついでに持っていこうか?」
曽根「いや、いいよ、それより早く行きなって」
高梨「……うん」
曽根「ほら、帰りのショート長引いたしあんまり待たせるもんじゃないだろ」
高梨「そうだね、行ってくる」
曽根「行ってら」
【side:曽根凜翔】
「うーん……思ったより多いな」
こんなことなら少し持って行ってもらえばよかったかもしれない
いや、告白の返事するのにごみ捨てしてから行くのは失礼だろ
つかなんで教室にゴミ箱2つしかないのにゴミ袋が3つあるんだ……
にしても中庭か……ゴミ捨て場と近かったはず
見たり聞こえたりしたら嫌だな……もし振ってるところを聞いてしまったら、俺はきっとそれに自分を重ねてもう二度とこの距離に戻れない気がする
……でもまあ運悪くその場面に出くわすとも限らないし、とりあえずこの重いゴミ袋を早く捨てよう
(SE:どさ(ゴミ袋を置く音))
「いや、まじで重かった……しんど」
やっと着いた……教室戻ろう
そのとき、中庭なんて見るんじゃなかった
いや、元々見るつもりなんてなかったのに何故か見てしまった
自分が思っていたよりもゴミ捨て場と中庭は近かったようで、良く見えた
可愛い女の子と笑い合う、あいつの姿が
正しいカタチ、正しいミライ、正しいあいつの、正しい道
せめて友達のままでなんて嘘だ、そんなことこれっぽっちも思っちゃいない
俺はあいつに、陽に愛されることを望んでる、浅はかにもあの腕で抱きしめられることを望んでる
なんでこんなに悩まなくちゃならないんだ、何が青春だ、何が夏だ、気持ち悪い
気持ち悪い、何より俺が、一番気持ち悪い
こんなにも好かれることを望んでいるのに、この馬鹿みたいな頭に浮かぶのは可愛い奥さんと隣で笑いあって子供を抱くあいつだ
こんな未来、望んだことなんて本当は一回たりともないくせに
ずっとずっと自分に言い聞かせておきながら心からそれを望むことなんて絶対になかったくせに
俺は走り出した
じっとしていられない
見ていられない
あの光景も、今の自分も
足がもつれる
(SE:どさ(転ぶ音))
凜翔「(乾いた笑い(はっ))」
情けない
涙がでてくる
足が痛い
ああくそ、転んだばかりのそこが一番痛いはずなのに、心の方がもっと痛い
言えないこの想いはどんどんと俺を傷つけていく
いっそ、割り切れたなら楽なのに
俺はあいつが好きだから、あいつの幸せなんてどうやったって願えない
【scene5】
凜翔「いっ……(足の痛み)ひっ……ぐすっ(泣く、もしくは嗚咽など)」
(SE:ドン(ぶつかる音))
高梨「おっ、と」
曽根「いっ……」
高梨「え、凜翔!?どうしたの!?」
曽根「なん、でもない、うっ……ごめん、今日一人で帰る」
高梨「おい!凜翔!」
曽根「だい、じょうぶだから」
高梨「……大丈夫には見えないけど」
曽根「へーき」
高梨「俺には話せない?俺じゃだめ?」
曽根「……うん、ごめん」
高梨「……あー、もう!」
曽根「た、かなし……?」
高梨「一緒に帰るよ、自転車壊れてるでしょ」
曽根「いいって、て言うか、ご、めん……ひっく……ほんと今日は」
高梨「てか足!すごい汚れてんじゃん、よく見たら袖も……転んだの?」
曽根「……そう」
高梨「なら尚更歩くの辛いでしょ、ほら、一緒に来て」
曽根「……ごめん、ありがと」
高梨「うん」
【scene6】
曽根「高梨、やっぱり俺一人で……」
高梨「血は出てなかったけど転んだとこ痛いでしょ」
曽根「いやでも……」
高梨「荷物貸して、ほら」
曽根「……うん」
SE:自転車をだす音
高梨「後ろ乗って」
高梨「大丈夫?ちゃんと掴まった?」
曽根「うん」
高梨「……(ため息)、なんで泣いてたの」
曽根「何でもない」
高梨「……そんなことないでしょ」
曽根「高梨には関係ない」
高梨「……凜翔」
曽根「俺の問題だから」
高梨「……そう」
曽根「ごめん」
高梨「あのさ凜翔、話したいことがあるんだけど」
【scene4.5 side:高梨陽】
高校に入ってからの何回目かの告白
顔を赤くしてる女の子は可愛いと思う、だけどそれだけだ
これは小さい子に向ける微笑ましい気持ちと変わりない
俺が好きなのは、ずっとただ一人だけだ
だから俺は、毎回決まった答えを返す
「ごめん、ずっと好きな人がいるから気持ちには答えられない。でも告白してくれて嬉しい、ありがとう」
当たり障りのないような、けれど紛れもない本心
この答えをすると、いつも女の子たちは「そっか、ありがとう」と言って去っていく
だけど、今回の子は少し違った
「高梨くんは、その好きな人の幸せを願える?」と、そう聞かれた
そんなこと、考えたことがなかった
凜翔が他の人と付き合うことからずっと目を逸らし続けてきた
その可能性は、俺が凜翔と結ばれるよりも遥かに高いものなのに
凜翔と、目の前の子みたいに可愛らしい『女の子』が一緒に並んでいるところ
想像したそれは、とても気持ちが悪かった
お似合いなのかもしれない、正しいのかもしれない、それが凜翔の幸せなのかもしれない
だけどそれは、とても気持ちの悪いものだった
何で俺じゃないんだ、凜翔のことを一番好きなのは俺なのに、何で凜翔を幸せにするのは俺じゃないんだ
おかしいと、確かにそう思った
おかしいことなんて何もないはずなのに
凜翔が俺の知らない誰かと笑いあい、それを幸せだと言うのなら、俺はきっとおかしくなってしまう
俺のいないところで笑わないでほしい、俺の知らないところで幸せにならないでほしい
勝手にもそう願ってしまった
「幸せなんて願えない」
気付くと俺はそう零していた
彼女は少し寂しそうに、けれど優しい目をして微笑むと「そっか」と呟いた
その後に「ごめんね、変な事聞いて。でもうん、諦めついた」と笑って、それにつられて俺も笑ってしまった
ずっと自分の中に渦巻いていた感情を少し整理出来た気がしたから
話をしようと思った
逃げられそうになったら捕まえればいい
「ありがとう」と言って、俺は凜翔の待ってる教室に向かった
近くで何かが倒れるような音がしたが、少しだけ浮かれている俺がそれを気にすることはなかった
その後教室に戻る廊下でぐしゃぐしゃに泣く凜翔に会ったとき、とてつもなく拒絶されているような気分になったけれど、今日こそは話をしないといけない、このままじゃ駄目だと決心した
【scene7】
高梨「話したいことがあるんだけど」
曽根「……なに?」
高梨「あー、あのさ、大事な話だから一回自転車とめていい?」
曽根「……うん」
(SE:自転車を止める音)
凜翔「……で、話って」
高梨「うん」
高梨「……あー、待って、心の準備させて」
曽根「……?うん」
(曽根:心の準備って、そこまでしてする話って何だ
わからない、あいつの気持ちはずっと分からない
もしかしたら告白の子と付き合うことになったのかもしれない
あんなに可愛い子、よく知らなくても離したらその気になるかもしれない
いくらずっと好きな人がいると言っても、振り向いてくれない子より目の前の可愛い子に意識が向くのはおかしいことじゃない
だって、俺が見たときアイツもあの子もすごく優しく笑っていた
まるで大切な人を見守るような、そんな笑い方で
駄目だ、泣くな
泣くな、俺)
(高梨:俺のこの気持ちはバレてる、でも、言わないとずっとこのままだ
俺は凜翔のことを何も知らない、何で泣いていたのかも
検討もつかない俺にはやっぱりこの気持ちを打ち明ける資格なんてないのかもしれない
でも、それでも言わなければならない
大丈夫、凜翔なら
ふと、カゴの中のサイダーが目に入った
凜翔がよく飲んでいるサイダー
凜翔のことで悩んでいることがあるとつい買ってしまう
けれど今日はそのサイダーを買ったことにも気付かないまま、無意識に飲んで残りはあと少し
あまりの余裕のなさに自分のことながらびっくりする
俺はサイダーを手に取って、ぬるくなったそれを飲み干した
炭酸で少し喉が痛くなったけれど、それが俺を応援してくれているようで
やっと決心のついた俺は、凜翔の方を向いて口を開いた)
高梨「俺、凜翔のことが好き」
曽根「……俺も、一番の友達だと思って……」
高梨「恋愛的な、恋人になってほしい、そういう意味で好き」
曽根「何の冗談なんだよ、それ」
高梨「冗談なんかじゃない!」
曽根「好きな人がいるって言ってただろ」
高梨「凜翔のことだよ」
曽根「嘘、嘘だ、そんなのおかしい」
曽根「陽には可愛い女の子が似合う、いつか陽はその可愛い女の子と結婚して子どもと暮らすんだよ、俺はずっと、ずっとそれを思い描いてるんだ!だからこんなのおかしいんだよ、あるはずない、だって陽には正しい未来が良く似合う」
高梨「正しいって何、凜翔の言う正しい未来って何?好きな人に好きだって伝えることは正しいことじゃないの?俺はずっと、ずっと凜翔のことが好きだよ、ねえ、だから俺、凜翔の望む正しい未来なんて歩めないよ」
曽根「違う、違う、陽は俺のことを好きなんて言わない、言わない、はずなんだ、この俺の気持ちは報われないはずで、俺はずっとこのまま友達でいいって思って……!」
高梨「……ねえ、凜翔の気持ちってなに?」
曽根「……は?」
高梨「俺ずっと、凜翔に俺が凜翔のこと好きなのバレてると思ってた」
曽根「知らないよ、知らない……!どうせ嘘でしょ……」
高梨「嘘じゃない。ねえ、報われない気持ちって何?」
曽根「何でも、ない」
高梨「言ってくれなきゃ分かんないよ。このままだと俺、自分に良いように捉えるよ?」
曽根「良いようにって……」
高梨「ねえ、教えて?」
曽根「……それ、は……俺が、陽のことを好きだってこと……」
高梨「ねえ、両想いじゃん、俺ら」
曽根「違う、だって……!」
高梨「なんも違わないよ、ねえ、俺さ、凜翔の幸せを願えないんだ」
高梨「凜翔が俺の知らないところで俺の知らない人と幸せになるなんで嫌だよ、俺、凜翔のことが好きだから、凜翔の幸せを願えないんだ」
高梨「凜翔が幸せになるのは、俺が隣にいるときがいい、そうじゃないと俺、駄目なんだ」
曽根「(泣く(ひっく))、俺、も、陽のことが好きだから、大好きだから陽の幸せなんて願えない、俺意外と幸せになるのは嫌だよ……!」
高梨「ねえ凜翔、俺たちは確かに正しくないのかもしれないけど、でも俺たちはお互いがいないときっと幸せになれないんだよ」
高梨「凜翔、俺の、恋人になってくれませんか?」
曽根「うん……うん」
曽根「こちらこそ、お願いします」
(ここでBGMいれたり炭酸の音いれたり蝉の鳴き声とかあると面白いかも)
インパクトドライバーの台本置き場
複数人台本や詩などを置いていきます。 台本使用の際は利用規約のご一読をよろしくお願いします。
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